吸音材の選び方
吸音材はエンクロージャー内部に入れて音を吸収させる材料です。内部の中高音や定在波を吸音しF特を平坦化する効果と、見かけの容積を増やし共振尖鋭度を下げる効果があります。吸音材の材質や量や配置で音は変わり、吸音材が多いほど癖も低音も減少し、吸音材が無いと癖も低音も最大です。従ってバランスが重要です。
密閉型では共振先鋭度や取り付け時最低共振周波数が目標値になるように測定しながら調整するべきです。測定ができない場合は満杯に入れておけば良いでしょう。密閉型らしい低音ダラ下がりの素直な特性になります。
バスレフ型では吸音材を入れすぎるとバスレフ共振を妨げてしまい低音が出なくなってしまうので、密閉型より吸音材を少なめにします。ただ、一切入れないと内部の中高音がバスレフダクトから聞こえやすい場合もあります。私のお勧めは少なめで、2面で十分だと思います。1面だけでも良いかも知れません。しっかり吸音させたい場合は3面で十分だと思います。6面全てに貼るのはあまりお勧めできません。特別な指定がない限り、当店の吸音材貼り付け面の優先順序は以下の通りです。
後面 → 上下のうちバスレフダクトに近い方 → 左右のうちバスレフダクトに近い方 → 上下の残り → 左右の残り → 前面
なお吸音材はエンクロージャー壁面にびったり貼り付けるより、補強材の上から貼ったり、角は空中に浮かせるなどして空気層を作って配置するとより効果的です。当店では極力空気層を作って配置いたします。
★ポリエステルウール★ 密閉型専用です。バスレフ型でこれを入れるとダクトからポロポロ出てきてしまいます。 エンクロージャーにポリエステルウールを一杯に入れます。固定はしません。 エンクロージャー容積によって値段が変わります。 | |
★ニードルフェルト★ バスレフ型にも密閉型にも適します。 厚さ約10mmで、タッカーで止めます。 エンクロージャーの想定口径と貼る面数によって値段が変わります。 |
因みに密閉型の場合はポリエステルウールとニードルフェルトの両方を入れる事も可能です。